組織改善を行う際は何から始めるべきか? 組織改善の方法について解説


組織改善を行う際は何から始めるべきか? 組織改善の方法について解説

「人材が育たない」、「社員のモチベーションやエンゲージメントを高められない」、「社員との意思疎通がうまく図れていない」など、経営者や人事責任者が抱える悩みはさまざまです。こうした状態が長らく続いている場合には、現状を打破するためにも本腰を入れて組織改善に取り組むべきでしょう。そこで今回は、企業の成長や業績向上に不可欠な組織改善について、その目的や進め方のポイントについて詳しく解説していきます。

組織改善の目的

そもそも、組織改善を行う目的とはなんでしょうか。業績の悪化や業務効率の低下、組織の古い制度や慣習が引き起こす社員のモチベーションやエンゲージメントの低下など、企業が抱える問題は多種多様です。そうした問題を解決し、最終的にその企業を成長に導くことが、組織改善を行う大きな目的と言えるでしょう。
 
特に近年は長引くコロナ禍によってテレワークが普及したことで、組織の状態を正しく把握するのが難しくなっています。テレワークによって働き方の自由度に対する実感が高くなっている一方で、会社への帰属意識の低下や、社員同士の意思疎通が難しくなってしまうなど、企業はこれまでとは異なる課題に直面しています。こうした企業を取り巻く環境の変化に適応しながら、持続的に成長をしていくためにも、組織改善を行う必要があるのです。
 
 

組織改善は何から始めるべきか

組織改善の必要性は分かっていても、いざ取り組むとなると何から始めたら良いのかわからないという経営者は多いのではないでしょうか。
組織改善を進める上で最も大切なことは、実際に改善に取り組む前の段階で準備に十分な時間をかけるということです。この準備のプロセスを省略して経営トップの強いリーダーシップだけで押し進めようとすると、組織改善は失敗に終わる可能性が高くなります。では、実際にこの準備段階ではどのようなことを検討すれば良いのでしょうか。組織改善に取り組む上で明確にしておくべき主な項目をいくつかご紹介します。
 

現在抱えている問題とその原因を把握する

まず、その組織が抱えている問題点や課題を明確にしましょう。問題点を把握することによって、組織改善で取り組むべき具体的な事柄がはっきりとしてきます。業務遂行について点検したい場合は、各部署の責任者に業務フローチャートを提出してもらい、作業内容を具体的にチェックしながら問題点を洗い出すという方法が効果的です。従業員エンゲージメントなど、社員の内面的な課題を発見する場合は匿名での社員アンケートなどが活用できるでしょう。
 

どこから改善に取り組むべきか、優先順位をつける

問題や課題が明確になったら、何を最優先に改善すべきかを検討しましょう。組織が掲げるビジョンを達成するためには何が必要かを把握することで、改善の優先順位がはっきりとしてくるはずです。
 

組織改善によってどのような組織を目指すのか、ビジョンを作成する

組織改善というのは1ヶ月や2ヶ月の短期間で終わるものではなく、数年単位で続くものだと考えるのが一般的です。その上で、組織改善によってどのような組織になることを目指すのか、ビジョンを明確にしましょう。
 
ここで注意しなくてはいけないのが、ビジョン(理念)というのは「現実的」であり、尚且つ「達成可能」な内容でなくてはいけないということです。「社員一人ひとりが輝ける企業」のようなざっくりとした抽象的なビジョンでは、目指すべき姿を具体的にイメージすることはできません。なぜ改善が必要なのか、何を変えるべきなのかといった要素を含んだビジョンを掲げることで、社員一人ひとりが主体性を持って組織改善に取り組むことができるのです。
 
 

組織改善の方法・施策

組織改善の目的や組織が抱える問題・課題を明確にするという準備段階が済んだら、次はいよいよ組織改善に着手しましょう。具体的な方法は以下の通りです・
 

タスクフォースを結成しディスカッションを行う

組織改善を行う上でぜひ取り入れていただきたいのが、「タスクフォース」を結成することです。タスクフォースというのは、緊急性の高い課題解決のために動くチームのことを意味していて、ここでは組織改善を中心となって行うメンバーを指します。タスクフォースのメンバーは、組織内のさまざまな部署から集めるのが理想的で、場合によっては社外から各部門の専門家を招聘する場合もあります。
 

タレントマネジメントを用い、人材の適切配置を行う

「タレントマネジメント」というのは、個々の社員が持つ能力や資質、才能、スキル、経験値などの情報を組織が一元管理し、戦略的で適切な人材配置を行うための人材マネジメントのことです。このタレントマネジメントを導入することによって、組織が抱えている問題・課題を改善するために必要な人材、またビジョンを達成するために必要な人材を正しく配置することができます。
 

ミーティングなどを通じて社員の相互理解を深める

組織改善を進めていく際には、定期的なミーティングを行うことで社員の相互理解を深めることも大切です。企業側は組織改善の必要性や目的、ビジョンだけでなく、組織改善がどこまで進んでいるかの進捗具合もしっかりと伝えていく必要があります。
 

まとめ

組織改善に取り組む際には、ぜひ上記でご紹介した内容を参考にしてみてください。
最近では組織診断の手法が発達しており、外部機関に調査・レポートを委託するという手段も有効です。
また、人事にマーケティング思考を取り入れたタレントマネジメントシステム「タレントパレット」では、無償で組織診断を実施可能です。組織の傾向から7つに分類し、それぞれの改善ポイントまで提案する機能を備えています。ぜひ参考にしてください。